今日は、明日のセリ日に合わせて花を市場に出荷してきました。札幌まで往復2時間ほどのドライブでした。気温は暖かくて春らしいんですが、雪はまだまだありますねー。函館の方ではトラクターで作業しているところもあるというのに・・・。北海道は広いです。
先日の打ち合わせ取材での会話。
ディレクター(以下D)「花を出荷するときは一箱に何本入れるんですか?」
私「原則、50本です」
D「当日は箱に48本詰めておいていただいて、現場で2本切って50本にして、こういう風に出荷しています。という具合にできますか?」
私「花は1本ずつ箱に入れるわけではなく、10本とか25本とかの束を作って、それを箱に詰めるんです」
D「それでは、その場で一束作ってもらって・・・」
私「切花は、切ったそのままで出荷するわけではありません。必ず、水揚げをし、余分な葉や花を調整し、長さやボリュームを揃える撰花作業を行います。ですから、今日切った花は早くても翌日でないと出荷できません」
結局、出荷のシーンはなくなりましたが、”切花はいかにして切花になりうるのか”をもっとPRしなければいけないなと思った一コマでした。
農業の現場では苗半作とか苗七分作と言って、苗を上手に作れれば、収穫も良いものが取れると言われています。切花も例に漏れず苗半作なんですが、収穫したものの鮮度を保つ技術も同様に必須の作業なのです。
植物はエチレンという老化物質を出すため、それが花の落下やしおれにつながります。特に、カーネーションやデルフィニウム、スイートピーなどは影響が大きい花の一つです。そのため、切った花をそのまま花瓶に生けても、長持ちしないものが多いのです。ですから、生産者は収穫後にエチレンの作用を抑える鮮度保持剤(STS)で水揚げします。この剤の登場によって、今まで切花にできなかったものが流通するようになりました。
また、エチレンにそれほど影響を受けないけれども導管(茎の水を吸う部分)にバクテリアが繁殖して、水揚げを阻害してしまう植物もあります。バラなどがこれに当たります。この場合はバクテリアの繁殖を抑える鮮度保持剤を使い、水揚げを促します。
この他にもカスミソウやスターチスのように小花がたくさん付く花は、エチレンの影響の他に、つぼみまできちんと咲かせられるように糖分の入った鮮度保持剤を使い,出荷しています。
その他にも鮮度保持剤はありますが、このように生産者は花の種類に応じて、適切な鮮度保持(前処理と言います)を行っています。そして、花屋さんは水揚げをきちんと行ったり、養分補給のための中処理を行っています。
このように、前処理、中処理を終えた花が店頭に並びます。そして、最後に花を買ったお客さんが、水をこまめに換える、水に糖を入れてやる、水切りをする、といった後処理をすれば、十分花持ちが良くなります。
こんにちは。いつも興味深く読ませていただいてます。
私はMacで花屋をやっています。
今回の記事は特に日常から思う所があって、共感しました。
なかなかお客様には、生産者の方々の努力とか、流通とかは伝わらず、「畑に咲いている物を摘んで来て売ってるだけだろう」といった認識を持った方も少なからずいらっしゃいます。
花についていろんな事を知ってもらうPRをもっとして行かなければダメなんだなって思いますよね。
先週は幾つかの学校で卒業式があり、我が店でもラナンキュラスが大活躍でしたよ。たわわに咲いたこの花を見ると幸せを感じます。少しでも多くの人にこの花を見てもらいたいですよね。
メコノプシスも作ってられるという事で素晴らしいですね!
一度苗を育てた事が有りますが、やはり花を付ける前に枯らしてしまいました。静岡ではむづかしいかな。
まだまだ、雪も多く寒い中大変だと思いますが、
お体に気をつけてがんばって下さい(長々とコメント、失礼いたしました)。
ocean202さんこんにちは。
Macな花屋さんは初めてのご来店です。というより、花屋さんはお初です。
消費者PRはこれから花関係者全体がやっていかなければならない課題ですね。それについては、長くなりそうなので、後ほど記事として投稿します。
ラナンキュラス、売れてますか!うれしい限りです。最近、メディアや雑誌などで目にすることが増えてますが、特殊な花なので、生産量はそれほど増えないんですよね。うちも秋にもっと出せるよう努力しています。
メコノプシスは北海道でも夏越しが難しく、暑い夏であれば全滅してしまいます。静岡ならなおさらでしょう。種はたくさん播きますが、きちんと残ってくれるかは運まかせです。秋に残っていれば、来年はきれいな花を咲かせてくれます。随時、経過はアップしていきますので、楽しみにしていてください。
また、遊びに来てくださいね。