一昨日から彼岸用のキク(岩の白扇)の直挿し(じかざし)を始めました。直挿しとは未発根の苗を直接ビニルハウス内に定植する方法です。発根苗を定植するのに比べると、根が最初からスムーズに伸びるので、活着も速やかでしっかりと生育させることができます。ただし、発根するまでは水分と温度管理に細心の注意が必要です。発根まではポリで被覆し水分を切らさないようにし、晴天時は遮光をして涼しく管理します。これを発根まで約2週間続けます。
岩の白扇というキクの品種は夏菊なので、自然条件だと7月に開花してしまいます。ですからこれを秋に咲かせるには電照が必要です。電照によって時期を夏と錯覚させて開花を遅らせます。7月下旬までは当ビニルハウスは不夜城と化します。
2006年5月アーカイブ
生産者にとって市場からの今の売れ筋商品とか種苗会社の新品種の紹介はなにより欲しい情報の一つである。なぜならそういった情報を真っ先に手に入れて、売れるものを作り、売ってしまわなければ、翌年は売れる保証はないからである。
今の切花の流れは種苗会社が開発したものを、農家(生産者)が生産し市場に出荷、花屋さんが売るというのが一般的である。工業製品であれば、開発→製造→営業と一社内で完結すべきことが、花業界では4業態を経ないと全うしない。ここでの生産者の役割は製造工場である。中には直売まで行う生産者もいるが、それとて売上全体から見ればごくわずかである。
生産者は売り物(商品)のタネ(種苗)を種苗会社から仕入れ、それを育てて売っている。商品の流通量をコントロールしているのは種苗会社である。であるから、種苗会社が制限なく販売すれば、そのものの価値は暴落してしまう。前の年に売れたものが次の年には普通の価値になってしまうのはこれが原因である。
ものが売れるということはそのものに希少価値があるからであり、どこにでもあふれていれば売れないということである。今はこれが高いとかこれが少ないとかいった情報が入る。つまりそのものに希少価値があるということである。すぐにその情報に飛びつく前に、何故それに希少価値があるのかを考える必要がある。新しいものであるためか、栽培が難しいためか、アレルギーなどのクセがあるためか。希少価値の要因が単に新しいものであるためなら、それが認知されれば希少性は失われる。だから、生産者には最初に書いたような行動が見られるのである。栽培が難しかったりアレルギーなどのクセがあるなら、それを克服できる手段、環境や栽培技術があるのか。要因と自分の経営スタイルを照らし合わせ、それを作るか否かを判断していくべきである。
種苗会社にいわれるがまま新しいものを焦って作らなくても、自分で導入したり開発することも可能である。一つは海外からの導入。もう一つは生産者育種である。
切花の出荷時期は暖地と寒冷地・高冷地である程度すみ分けされている。暖地は12月~5月、寒冷地・高冷地は6月~11月という具合にである。しかしながら、作られているものは暖地で作られているものを夏秋に出荷するのが主体で、寒冷地・高冷地ならではのものはまだまだ少ない。それは日本の種苗会社の拠点はあくまで暖地であるという点が原因である。
したがって、北海道の生産者は寒冷地・高冷地に適した品目・品種を導入することが必要になってくる。幸い、ガーデニング大国である英国は気候条件は北海道と似通っており、世界中の素材が集められている。もちろん素材だけでなく、知見も豊富である。ここから学ばない手はない。
生産者育種は文字通り生産者が自分の商品を作り出すことである。F1品種やパテント(登録)品種は育種の素材として利用することは難しいが、それ以外にも原種に近いものやパテントのないものは無尽蔵に存在する。それらをちょこっと交配して、独自の新しいものを作ってしまおうということである。
もちろん、書くのは簡単だが、実践するには多くの労力が必要である。なにしろ、交配させるのは花の咲いている時期であるから、当然出荷しながらの作業になる。当座の利益と将来の利益、労力の配分が難しい。それに、必ずしも売れるようなものが出てくるかは保証がない。しかし、一つだけ確かなことは播かなければ生えないということである。
ピンセットと筆を持って交配に取りかかろう!まずは身近にあるラナンキュラスから攻めるとするか・・・。
この時期になるとラナンキュラスは花弁数(花びら)が少なくなって、中のめしべやおしべが見えるようになります。これは花が受粉体制に入った証拠で、当然花持ちは悪くなってきますし、なによりラナンキュラスの魅力はその花びらの数にあるので商品価値が著しく落ちます。そこでこの時期を境にしてタネ取りと球根養成に入ります。
ラナンキュラスは球根植物に分類されていますが、厳密には球根ではなく塊根というものを地下部に作ります。これによって翌年も同じ個体を増殖させることができます。そして、地上部では種も作るのでこちらでは新しい個体を作ることができます。それまでは球根しか掘り上げてなかったのですが、昨年からタネを取るようにしました。
一つの株からは原則として同じ個体が出てきますが、タネを取ることで眠っていた遺伝子が活躍するようになります。つまり、同じ赤でもそのタネの遺伝子は異なっているので、子どもはいろいろな色や形が発現してきます。これによって新たな品種の発生が期待できます。
やっとキクの定植をしました。いつもは4月中に未発根苗を直挿ししているのですが、今年は圃場の準備が整わなかったので、一旦セルトレイに挿して発根させたものを定植しました。
例年に比べればだいぶ遅れていますが、花が咲くのはいつもの通りお盆の予定です。
うちで作っているキクは白の一輪菊で、「岩の白扇」という夏場の代表品種です。お盆の頃に見かける白の一輪菊はほとんどがこの品種です。
キクは苗作りから花切りまで様々な作業が経験できます。いわば花作りの全てのエッセンスが詰まっています。キクを作りこなせればどんな花でも作れるとよく言います。なかなか作りこなすことはできませんが、その言葉を信じ、毎年キク作りに励んでいます。
ブラウザでサイトを見ていると、アドレスバーに独自のアイコンが表示されているサイトがあります。Appleはリンゴのマーク、Yahoo!は「Y!」マーク、Googleは「G」マークなどです。
これはFavicon(ファビコン)というのですが、アドレスバーだけでなくブックマーク(お気に入り)に登録したときに、Faviconもいっしょに登録されるのでカラフルになって見つけやすくなります。Safariの場合は、デフォルトのアイコンは青い地球マークが表示されますが、ブックマークがたくさんあると地球だらけで区別しにくいんですよね。
Favicon Japanによれば、FaviconはもともとはInternet Explorerの独自機能だったようですが、Mac版のIEでは対応外のため何も表示されません。IEはWin版でもかなりお寒い状況のようです。むしろ新興勢力のタブブラウザが軒並み対応してきているようです。Microsoftもいよいよブラウザまで手が回らなくなったのかな?まあ、Mac版はもうなくなったからいいんでが、せっかくFavicon作っても一番普及しているブラウザで見てもらえないんじゃ悲しいですね。というよりIEしか使っていない人はFaviconの存在すら知らないということも考えられますね。
Windows版Internet Explorerをお使いの方は是非、Firefoxをダウンロードして使ってみてください。
MicrosoftのHPをみるとFaviconがないわけではなく、紙っぺらのようなFaviconが表示されます。こんな中途半端なFaviconを作る意図はどこにあるのかな?
何はともあれFaviconはGIF、JPG、PNGから簡単に作れるので、早速トライしてみました。
まずは画像を用意します。表示されるのは正方形なので、出来るだけ正方形にしたほうがいいでしょう。また、最終的には16×16ピクセルになるので、細かい画像は避けます。
次にFavicon Japanのサイトに行き、用意した画像からFaviconを作成します(ファイル名はfavicon.icoにします)。
出来たFaviconをHPのindex.htmlと同じ階層に置き、index.htmlの<head>タグ部分に、
<link rel="shortcut icon" href="favicon.ico" >
を挿入します。
そして、これをアップロードすればFaviconが表示されるようになります。
また、SeesaaブログはHTML編集が可能なので、ブログでもFavicon設置が可能です。
まず、ファイルマネージャにFaviconをアップロードします。
次に、「マイ・ブログ」「デザイン」「HTML」を開きます。「HTMLの追加」をクリックし、適当な名前を付けて、<head>タグ内に
<link rel="shortcut icon" href="http://macdenogyo.up.seesaa.net/image/favicon.ico">
を挿入します。アカウント名(macdenogyo)の部分は各自のブログのアカウントに置き換えてください。
「保存」をして、再構築すれば完了です。
Faviconを変えたり、編集したときは元のファイルを上書きすればいいんですが、Safariの場合、元のデータがしっかり残っていてキャッシュをクリアした程度では変わらないんです。このせいで不完全のFaviconに付きまとわれて散々苦労しましたが、Safari Icon ManagerというFreewareでUpdateした結果、新しいFaviconが表示されるようになりました。このソフトって、Favicon管理のために作られたソフトのようです。私だけでなく、悩んでいた人がいたということですね。いいもの作ってくれるわ、ホントに!
5月3日~5日に掛けて毎年恒例のGWビニルハウス内キャンプを行いました。このキャンプももう10回近くやっていると思います。
我が家では恒例行事がいくつかあって、元旦の樺戸神社への初詣、GWのキャンプ、お盆の登山は毎年欠かさず実施しています。
この時期は花切りや苗管理などの仕事があって遠出することは出来ないけれど、寝床と食事の場所を変えるだけで、ちょっとした旅行をした気分になれます。
食事は炭焼きコンロと飯ごうで、寝床はテント泊まり。明かりはないので、早めに食事して暗くなったら就寝。早寝早起きの健康的な生活を送ることが出来ます。現代の当たり前の環境を離れ、食事前の火興しから調理・片付け。これを3回繰り返すと、一日中食事を作っているような気がします。これでも昔に比べれば非常に恵まれている環境ですから、この他に水くみや掃除、洗濯が加われば、家事も一日仕事というのもうなずけます。
本当は非常時に備え、電気・ガス・水道を使わない模擬訓練を実行したかったのですが、準備不足のため断念しました。最小限の燃料と食料で3日間生き抜こうとすると、それなりの献立の検討や準備が必要です。今は登山用品やけいたい食料で優れたものが出ているので、そういったものを上手に活用して行きたいと思います。
いざ、夏の登山で実行です。
先週はキクの挿芽(さしめ)を行いました。
挿芽とはキクの生長点を6~7センチほどの長さに摘んだものを土に挿して発根させる作業です。キクは芽を土に挿しておくと発根してきます。
いつもは圃場に直に挿芽するのですが、今年はビニルハウスの準備が間に合わないので、セルトレイに挿芽をしました。ここで一旦芽を出させて発根後に圃場の準備が整いしだい定植します。初めてのチャレンジなので上手くいくかどうか分かりませんが、何事も経験です。余分な経費や時間がかかりますが、これはこれで管理が楽なので、上手くいけば次年度以降も使えそうな技術です。
キクを作り始めて10年になりますが、今まで一度として同じことをしたことがありません。というより同じ条件が一度もないので、同じようにできないのです。その度に試行錯誤していろいろな技術を会得してきました。今回もその一つになりそうです。
この花が咲くのは8月上旬です。栽培状況は順次ご報告いたします。お楽しみに。
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