Googleと納豆

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 昨晩のNHKスペシャル「グーグル革命の衝撃」を見た。
 「地球上の全ての情報を検索可能にすることが目標だ」と豪語するCEOの言葉には頼もしさを感ずる反面、ある種の恐れをも抱いた。

 Googleは”サイトに張られるリンク数でそのサイト表示順位を決定する”という画期的な情報整理手法を使って検索(ポータル)市場に参入してきた。その結果、われわれは一番知りたい情報をスムーズに得られる仕組みを手に入れることができ、同時にGoogleも急成長している。現在は基本的なルールは変わらないが、サイト表示順位決定ルールは100ほど存在するようである。
 Googleの利用頻度が高まれば、Google上の広告価値も高まる。各企業はクリック広告のキーワード取得や自社のサイトの表示順位を上げるために、SEO(検索エンジン最適化)と称する技法を駆使する。また、SEO対策のための企業が多数起業され、互いにしのぎを削る。
 しかし、検索エンジンに好まれる対策によって、そのサイトの順位が上がってくるということは、ユーザーにとっては必ずしも好ましいことではない。ものやサービスの売買のサイトが上位に来れば、純粋な情報のサイトが埋没してしまう可能性が出てくる。そういったサイトが利用されなくなれば、サイト運営にも支障を来し、ついにはサイト全体の質が下がる可能性もある。
 さらに、多くの人が一つのものに頼り切ってしまうと、何らかの原因でそれが使えなくなったときに大混乱になる。またGoogleが意図的に情報を操作したりしたときにそれは世界的な世論誘導にも繋がりかねない。ソースは分散するに越したことはない。

 こういった話はGoogleだけの問題でも、ネット上だけの問題でない。マスメディアでも同じである。いやむしろネット上の情報には、ユーザー自身が注意を払っている分まだましである。よのなかには”マスメディアは選ばれた発信者であるから常に正しい”という誤解を潜在的に持っている人たちがとても多い。
 ネット上の情報ももマスメディアの情報も結局は玉石混交である。どちらも人間が発信している以上、間違いや嘘が存在する。そしてその中から玉を見つけ出すのはユーザーの”見る目”が不可欠である
 “見る目”を持たないということは、結局は被害者になりかねない。今回の"発掘!あるある大事典2"でのねつ造問題で踊らされた人たちは、そういった人たちであったのではないかと思う。結論だけを聞いて安易に飛びつくのではなく、その結論を導き出した過程をきちんと検討してから行動する必要がある。そのためには教育しかない。

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このページは、宮下勇作が2007年1月22日 11:59に書いたブログ記事です。

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