2007年8月アーカイブ
登山をするにあたり、水と同様にトイレは重要な問題である。
特に、北海道の山は山小屋の設置が少なく、最近は麓の登山口にトイレが設置されることが多くなってきているが、山中や山頂ではトイレの設置カ所は数少ない。
大雪山系黒岳山頂下の黒岳石室に設置されているバイオトイレ。
便槽にはおがくずが入っており、ペダルを漕いで撹拌させることで速やかに分解される。
トムラウシ短縮登山口にもバイオトイレが設置されているが、これ以降トイレはない。
山は有機物の汚染がきわめて少ない場所である。ゴミを捨てることはもちろん、し尿を垂れ流すことで、植生に影響が出たり水質の悪化にも繋がる。
したがって、山で用を足そうとする場合は携帯トイレが必須である。
食料を持ち山へ登り、同じ重量を持って降りる。これが山を長く楽しむ基本である。
登山では水の確保が重要なポイントである。北海道では雪渓の雪解け水を利用するのがほとんどであるが、降雪が少ない年は沼のため水を利用することになる。
また、北海道ではキタキツネによるエキノコックスの汚染が進んでいるため、水は煮沸するか濾過する必要がある。
炊飯用の水は煮沸するので問題ないが、行動中に飲む水をいちいち煮沸するのはガスの消費が激しく、また時間がかかるのが問題であった。
そこで携帯浄水器スーパーデリオス(写真)の登場である。中空糸フィルターで大腸菌やエキノコックスなどの細菌、原生動物などを濾過してくれる。
500ccの水を30秒ほどで濾過できる。一つで200リットル濾過可能なようだ。災害時にもこれがあれば風呂水でも何とか飲み水にできそうである。
久しぶりにネットで調べていたらスーパーデリオスがバージョンアップしていた。その名もドリップデリオス。従来のスーパーデリオスよりも大容量の濾過ができるようで、今のが寿命を迎えたらこちらに乗換だ。
14日から15日にかけて盆休みと避暑を兼ねトムラウシ登山へ行ってきた。トムラウシ温泉からさらに林道を入ったトムラウシ短縮登山口からのアプローチである。
家族登山はここ五年間の恒例行事である。三年前からは山中泊するようになって、荷物が格段に増えた。
初めのころは子ども達もほとんど荷物を背負うことはできず、親二人がその分背負ってきたが、最近はかなりの戦力になり、特に中二の娘は母親に負けないくらい背負えるようになった。
その分、それぞれの荷物の負荷をきちんと調節しないと、ペース配分に影響が出てしまう。今回はわたしが律速段階になってしまい、途中で荷物を移動させたりした。
途中、ナキウサギの生息地を通る。警戒心が強い生き物のため、鳴き声は聞こえるが、なかなか姿を現さない。
また、高山植物も宝庫で、たくさんの種類に出会うことができた。
山頂手前の九合目付近にある南沼キャンプ指定地でテントを張った。登山の楽しみは何を置いても食事。この日のメニューはご飯、麻婆春雨、コンソメスープ、ソーセージ、チーズ。炊き方に失敗し、芯のあるご飯だったが、疲れた身体にはやはり美味かった。
ここでトラブル発生。何とわたしの登山靴が・・・しかも、両足。
次の朝は強風と濃霧。昨晩は星も見事で、ペルセウス座流星群もいくつも確認できたのに一転してしまった。
この日はトムラウシ山頂を極めてから下山予定だったが、やむなく下山を決意。
下山するにつれて天気は回復していったが、あと二時間の下りというところで片方の登山靴の底はとうとう剥がれてしまう。そして、あと30分のところでもう片方も。
最後はスリッパを履いているような状態での下山。親父が一番へろへろ状態だった。
8月に入って初めての晴れ間。
気温は今年初めての真夏日の32度になった。この天気と暑さは数日は続くらしい。
せっかく晴れたので、ペルセウス座流星群を見ることにしよう!
毎年8月12日~13日頃を中心に発生する流星群で、今年は新月なので絶好の観測条件のようだ。
特に13日の明け方(つまり明日の未明)が狙い目ということだ。
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