携帯電話リサイクル

| コメント(2) | トラックバック(0)

logo.gif

 携帯を買い替えるにあたり、古い機種は引き取られるものと思い準備していた。ところが、今は個人情報保護の理由から回収していませんと言われ、そのまま持ち帰ってきた。そして、取りあえず子どものおもちゃになった。
 前の機種交換の時は、買い換えの条件として古い機種を回収していたのに、これでは時代を逆行しているとも言える。

 携帯電話はレアメタル(希少金属)が多く使われている。HageOyaji通信によれば、アンテナにはGa(ガリウム)、液晶画面にはIn(インジウム)、基盤にはPd(パラジウム)、Au(金)、電池にはCo(コバルト)が使われいるという。
 携帯電話に限らず日本は都市鉱山と言われ、

金は、約6,800トンと世界の現有埋蔵量42,000トンの約16%、銀は、60,000トンと22%におよび、他にもインジウム61%、錫11%、タンタル10%と世界埋蔵量の一割を超える金属が多数あることが分かった。また、他の金属でも、国別埋蔵量保有量と比較すると白金などベスト5に入る金属も多数ある。
独立行政法人 物質・材料研究機構
という。
 
 レアメタルは現在の日本の産業発展の根幹を支えているとも言える。その重要性から日本では備蓄しているものと注視しているものがある。
「備蓄対象」
 ・Ni ニッケル(ステンレス鋼、特殊鋼、メッキ)
 ・Cr クロム(特殊鋼、耐火煉瓦)
 ・Mn マンガン(乾電池、ペンキ、肥料)
 ・Co コバルト(リチウムイオン電池、磁石)
 ・W  タングステン(電球フィラメント、電子部品)
 ・Mo モリブテン(顔料、特殊鋼)
 ・V  バナジウム(高張力鋼、触媒)

「要注視対象」
 ・Nb ニオブ(工学レンズ添加剤、超伝導材料)
 ・Ta タンタル(コンデンサー、電子機器フィルター)
 ・Sr ストロンチウム(磁石、セラミックコンデンサー)
 ・Pt プラチナ(自動車触媒、宝飾品)
 ・Ga ガリウム(発光ダイオード、太陽電池、集積回路)
 ・In インジウム(液晶パネル用透明電極、歯科合金)
 ・ Re レアアース(磁石、蛍光体、電池、研磨剤)
HageOyaji通信

 こうしたレアメタルが希少な理由は、
 ・地球上の存在量が少なく採掘のコストが高い
 ・単体として取り出すことが技術的に困難
 ・ 金属の特性から製錬のコストが高い
ことにある。
 良質な金鉱石1万トンには50gほどの金が含まれるというが、携帯電話1万個からは200~300gの金が採取できるらしい。

 さらに最近はBRICs諸国の台頭で廃棄物処理の国際化に伴い、合わせ技でこうしたレアメタルまでも海外流出している現状が指摘されている。
 アフリカのコンゴ民主共和国で続く内戦も、その根底にはレアメタルの採掘権をめぐる争いにあるという。

 現状回収されている携帯電話は出荷台数全体の12%(平成18年現在)にとどまっているようだ。
 調べてみると、携帯電話各社はモバイル・リサイクル・ネットワークを作り、キャリアや機種メーカーに関係なく、販売店全店で携帯電話を回収しているという。個人情報流出に関する問題も、客の目の前でデータを消去したり、機器を破砕処理することでクリアしている。

 今回の購入先が家電量販店だったため回収されなかったのかも知れないが、実際は専門店よりもこうした家電量販店で購入することの方が多いのではないのか。それなら、なおさらこうした回収システムを機能させなければ、いつまでたってもリサイクルにお寒い国に甘んじてしまう。
 レアメタルは石油のように燃えて無くなることはないのだ。

 子どもにはレアメタルの話をしたら納得してくれた。今度出かけた時にでも携帯電話と充電器を回収してもらおうと思う。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.macdenogyo.net/mt/mt-tb.cgi/322

コメント(2)

ご無沙汰。
海底ケーブルの船積み立会いで、北九州の小倉(若松)にきています。

自分の担当分は終了して時間があいたので拝見しに来ました。

数字やら(信用できる筋からの)引用やらで理論的に話を進めていくのはお前らしいと思った。

昔から変わってないな。
これから時々お邪魔します。

久しぶり!
九州も寒いでしょう。
こっちは風もそれほどではなく、今は小康状態と言ったところ。

これからも、賑やかしてください。

コメントする

カレンダー

<   2008年2月   >
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29  

このブログ記事について

このページは、宮下勇作が2008年2月13日 15:25に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「新しい携帯電話」です。

次のブログ記事は「地吹雪」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261