花全般の最近のブログ記事
昨日、秩父別町で行われた空知花き生産組合の交流会に参加してきました。
この会は、今回が5回目になる会合です。最初は南空知地域の花き生産組合の交流会として発足しましたが、途中で中空知地区、北空知地区の生産組合が加わり、現在6産地による交流会に発展しています。
参加者は月形花き生産組合、北育ち元気村花き生産組合、南空知花き生産組合、情熱フラワー生産組合、浦臼花奈生産組合、たきかわ花き生産組合から役員および事務局員、北海道花き生産連合会から阿部会長と事務局員、そして来賓として札幌花き園芸(株)の田嶋専務をお招きして、総勢30名による交流会になりました。
それぞれの産地のデータを元に、産地紹介や参加者の自己紹介が行われた後、現在、未来を見据えた問題点や検討事項を産地ごとに出し合い、話し合いました。
主な要旨は月形花き生産組合のサイトで。
今回は、ある生産者からの一言が印象的でした。
「生産者自ら花屋に行って、花を楽しむ行動をしているのか?消費者の言葉を聞き、花を知る努力をしなければ、この厳しさからは抜け出せない。そして、花の需要を活性化させるには、業界が一体となった取り組みが必要である。」
自ら動かなければ変わらない、彼はそれを知って行動しているようです。
時間が限られたこともあり、十分な検討とはなりませんでしたが、それでも産地間連携による輸送の可能性や産地PR方法など、今後の発展に繋がる道が見えた会議でもありました。
昨日行われた平成20年度北海道花き生産流通セミナー(北海道花き生産出荷推進会議主催)では、クリザールジャパン(株)の海下展也社長による、「危機に立つ花き産業を乗り越えるために」と題する基調講演が行われた。
今、生産者として求められる行動は、
1. 基本に帰る
何を止めて、何を行うか。→習慣の見直し
2. 消費者の考えを知る。
消費者が求めるものを提供できるか。→どこまで理想に近づけるか。
花きを購買する理由の主なものは、
日本では、ギフト29%、家庭用28%、仕事花23%。
(20年前は、仕事花60%、家庭用10%)
英国では、自分のため63%。
自分の花の用途を知るだけで、戦略は変わってくる。
世界から見た日本の花き産業は、
日本の花き生産面積は、全世界の5%しか占めていないが、生産金額は13%を占める。
中国やインドでは逆に、面積比は大きいが、生産額比率は小さい。今後、高単価の花きを作るようになれば脅威に。
日本の花きは栽培技術はトップクラスだが、採花後の水揚げ処理を含めた、流通対応はほとんどできていない。
→きれいな水で正しい水揚げ、予冷処理、保冷輸送といったサプライチェーンの確立。
輸入品の増加
ここ4~5年で200億円から280億円へ。
この10年の傾向は、オランダ産が減少している一方、コロンビア産のカーネーション、マレーシア産のSPマムは増加、タイ産のデンファレは横這い状況。
花の浸透度と文化度
花の消費者層は
マニア 2.5%
流行先取り 13.5%
一般(早め)34%
一般(遅め)34%
無頓着16%
といった構成で形作られている。
最初に飛びつくのはマニアと呼ばれるごく少数の人達。それが浸透していくにしたがって、流行を先取りする人へと広がる。この状態までは仕事花が主用途であり、家庭や個人消費は期待できない。
やがて一般でも流行を早めにキャッチする人が現れ、仕事花から家庭花へ消費が拡大していく。そして一般の流行に後れた人が取り入れるようになると、個人で楽しむ花にまで用途が広がる。
これを花の購入度と用途の関係で示すと、
Step1(購入度~10%)仕事花、高級ギフト。(中国、ベトナム)
Step2(購入度~25%)仕事花の伸張、家庭花の始まり。(韓国、香港)
Step3(購入度~40%)仕事花の伸び悩み、家庭花の伸張。(日本、ドイツ)
Step4(購入度~60%)家庭花の普及、カジュアル・ギフトの伸び。(英国、米国)
つまり、現在の仕事花の伸び悩みはある意味必然であり、家庭花をいかに伸ばしていくかが今後の課題であると言える。
また、上記のStepごとに花の用途の割合を見てみると、Step1からStep4へ移行するにつれ、仕事花の割合は落ち込むが、反面、家庭花が伸びることでギフトも伸びる傾向にあるという。
購入金額もStepが進むにつれて増加していく。言い換えれば、家庭用需要を伸ばせればパイ全体が大きくなることを意味する。
花き産業を躍進させるためのヒント(欧米に学ぶ)
1) リピート購入を促すため、切花の日持ち保証や顧客満足度保証販売の導入。
2) 消費者選択を可能にするため、環境と人に優しい栽培・流通認証制度の導入。
3) 企業に対し花きの購入も社会貢献の一つであるという認識の植え付け。
4) 魅力的で買いやすいディスプレイの提案。
5) 価格競争を避けるために、他人(店)との差別化を図る。
6) 家庭花の普及のために、生活必需花の提案。
7) いつでも、どこでも購入できるよう、オンライン販売の普及。
8) 幼い頃から花きに親しんでいない人は、将来の花きの購入者にはならないことから、花育を推進して未来の需要を育てる。
9) 花き産業全体でPR(販売促進活動)を実行。
1)の日持ち保証や顧客満足度保証とは、消費者が求めているものをいかに実現させていくかの典型とも言える。
英国のスーパーで導入した結果、来店客当たり購入率が1%から8%へ上昇した。
生産者としては、適切な水揚げ処理、鮮度を維持するために迅速でかつ適切な温度管理、保水を施した流通面で貢献できる。
2)および3)に関しては、
・フェアトレード
・カーボン・マイル(カーボン・フット・プリント)導入による、地産地消の促進。
・梱包資材の軽減化
・MPSやエコファーマー等の認証制度の導入
・環境保全型農業の励行
・企業の社会的責任の認識と表明。→持続可能な供給先からの購入。3R推進、パートナーシップ
といった項目が挙げられる。
MPSの意義は、いずれは消費者へも浸透していく可能性もあるが、一義的には、記録を付けることで、自分たち(生産者)の立ち位置や問題点を考え、話し合うためのツールとしての活用が望ましい。
4)~7)の項目については、直接生産とは結びつかないが、実際に自分の花が売られている場所へ赴き、自分の商品が消費者意識にあっているのか確認する手段となりうる。
同じものばかりでは魅力がないことの気づき。
ネットやブログでの情報発信。
8)の花育は、子どもを通じて親にアプローチする。
9)の販促は、オランダや米国では基金の積み立てに基づいて活動が行われている。
サイトの活用、CMの利用、花きの効用。
日本の花き流通を変革するためには。
1) 問題点
出荷規格の不統一。
前処理、低温管理、湿式輸送のチェーンの不在。
短期集中出荷。
事前情報の欠如。
2) 花きの流行を作る力
生産の力:完璧な生産
流通の力:時間、鮮度保持
言葉の力:品質保証
3) 花き産業全体に不足するマーケティング
誰が買うのか?
どこで買うのか?
何を求めているのか?
名詞ではなく、動詞を売る。
→「バラ」を売るのではなく、「感動を呼ぶ」ものを売る。
→「カーネーション」を売るのではなく、「気持ちを伝えられる」ものを売る。
→「菊」を売るのではなく、「心が癒やされる」ものを売る。
個人的まとめ
・人まねでなく、自分(産地)の問題点、立ち位置をしっかり把握する。
・止めるべきこと、すべきことを整理してから行動する。
・独りよがりではなく、消費者が求めるものをどう形(結果)にしていくか。
ここ数日の天気でようやく月形らしい冬の景色になってきた。
先週までは道路も乾いた状態が続き、日によっては春間近のような気候になったりもした。
まだまだ雪の量は40cmほどと例年に比べるとかなり少ないが、近郊のスキー場もようやくオープンでき一段落のようだ。
個人的にはこの冬から冬の栽培を取りやめたため、出荷は12月上旬で終了した。市場も明日のセリで今年は最後。それに伴い、4月から行ってきた月形花き生産組合の共同出荷も今日を以て終了した。
今年のシーズンは早い雪融けで幕を開けた。冬の間の燃料費高騰を受けて、生産者はより燃料のかからない作型へシフトしてきたこともあり、出荷本数は昨年に比べて減少した。
燃料のみならず全体のコストが上がっている分、単価で売上減少分をカバーできれば良かったのだが、組合平均では若干のマイナスとなってしまった。
もはやコスト削減は限界の所まで来ている。
来年度に向けてできることは、生産現場では、上位等級品を確実に出荷に結びつける技術・経営力にかかっていると思う。そのためには生産者同士の技術共有が必須になるだろう。
販売に向けては、これと言った決め手があるわけではなく、手探り状態が続く気がする。
ともあれ、一年間お世話になりました。
昨日は月形花き青年部のメンバー数人で、隣の新篠津村の農家を見学させてもらいました。
新篠津村はアルストロメリアの生産では道内有数の産地です。
月形ではアルストロメリアの生産は現在ありませんが、燃料対策や冬期間の栽培についての話しを伺ってきました。
当初は廃油やバイオ燃料を使った暖房の話しを伺うつもりでしたが、新しい燃料の導入は取り止めとなったらしく、今後の燃料価格の推移を見守った後に検討していくとのことでした。
今夏までの燃油高騰で、一時は冬期間の暖房の中止を予定していた農家もあったようですが、今秋からの値下がりを受けて、再開に踏み切っているようです。
内張にいわゆる「プチプチ」を利用しているハウスも見られました。
月形では今冬の出荷は完全になくなります。近隣の産地でありながら、作付けしている品目が違うだけで、対応はまったく変わってしまいました。
変えないことを選択した産地と変えることを選んだ産地。
どちらにしても燃油や資材価格に翻弄されることは間違いないことです。
今週は晴れの天気が続いている分、朝の冷え込みが強い。この3日間の-3度超えの冷え込みで採花量がかなり減ってきた。特にブルーレースフラワーは一重の雨除けハウスのものは凍ってしまった。
来週は冷え込みと雪が続くようで、いよいよ店じまいが近づいてきた。
圃場が雪に覆われる前に土壌診断用の土壌サンプルを採取した。肥料高騰もあって、できるだけ余計な肥料はやりたくないので、土壌診断は欠かせない作業になってきた。
実際に診断してみると、いかに土壌中に溜まっている肥料分が多いかが分かる。これによって、減肥によるコスト抑制、土壌環境の改善をもたらしてくれる。肥料高騰も基本を見直すきっかけになってくれている。
残っている成分の内、雪の下にさらすことでN(窒素分)は流亡するが、他の成分はほとんど変化しない。せっかく貯金してきたのだから、しばらくは有効に使わせてもらおうと思う。
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