タイトルを見ただけではなんのこっちゃ?という方も多いと思いますが、私が所属している月形花き生産組合の平成18年の切花共同輸送が本日から始まりました。もちろん、私のラナンキュラスも出荷しました。
月形花き生産組合は現在82戸の切花農家によって組織されている団体で、北は札幌から西は福岡まで全国19の市場に向けて約2000万本の切花を出荷しています。例年4月下旬から12月末まで集荷場にトラックが来て、共同で出荷しています。トラックで運ぶといっても、トラックで運ばれるのは札幌の市場だけで、道外の市場へは新千歳空港から飛行機で運ばれます。
共同出荷が始まるまでの冬期間は、札幌まで自分で運ばなければならないので大変でしたが、やっと解放されました。
灯油高や3月・4月の寒さの影響もあって、荷物の量は例年より少ない状況でしたが、何はともあれシーズン開幕です。
今年の母の日は5月14日です。皆さん、お花を贈りましょうね!!
2006年4月アーカイブ
久々にMacなソフトの話です。
年に1回しか使わないけど、とても役に立っているシェアウエアです。その名も「カレンダーつくって!」
カレンダー部分には祝祭日の他、六曜や月の満ち欠け、予定(誕生日とか記念日)などを入力することができます。もちろん写真は好きなものを貼り付けることができます。
うちの場合は年末に、その年のその月にあった出来事を翌年のカレンダーにして、離れている両親に送ったり、自宅に掛けたりしています。
ありそうでなかなかないソフトなんで重宝していたんですが、2006年(つまり今年)から六曜や月の満ち欠けが表示されなくなってしまいました。バージョンアップがままならないようで、データ切れのようです。カレンダー自体は2039年まで作れるのですが、なんとか六曜と月の満ち欠けを復活させてほしいです。
あずみの工房さん、有償で構いませんからバージョンアップをお願いします。
例年に比べ雪解けが遅れていましたが、やっと春の使者の訪れです。
すぐ近く(美唄市)には国内で13番目のラムサール条約登録湿地である宮島沼があります。ここは例年、ハクチョウやマガンなど水鳥の渡りの寄留地となっており、雪解け後の田んぼに落ちもみをついばみに来ます。
月形はこのあたりで雪解けが一番遅いため、鳥たちにとっては最後の餌場となっています。ここでお腹を十分に満たした後、オホーツク海を越えカムチャッカ半島やシベリアへと旅立ちます。
そして秋には新しい家族を伴い、今度は南下のための寄留地になります。
われわれは暖かくなってホッとしているのに、彼らにとっては避暑地への旅立ちだなんて、よっぽど暑がりなんですね。まあ、年中ダウンジャケットを着ているんだから当たり前か・・・
ヒマラヤの青いケシ Meconopsis, The Himalayan Blue 大場秀章著
先日、Googleでメコノプシスを検索していたら見つけました。
今までメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)の文献(書籍)といえば、George Taylorの「An Account of The Genus Meconopsis」やJames L.S.Cobbの「Meconopsis」がありましたが、いずれも英文であり、既に絶版になっているため手に入れるのは難しい状況にありました。
そういった文献を網羅しつつ日本語版である点から、メコノプシスに興味のある日本人は必見ともいえるでしょう。前半部はメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)の原産地(ルーツ)と発見からヨーロッパへ導入される過程が詳しく書かれており、後半部はメコノプシス属の分類を中心とした種の解説に多くのページが割かれています。後半部の分類や種の解説は英文の文献からの引用のため、目新しい記述はありませんが、前半部分はドキュメンタリー的な読み物としておもしろく読めました。
以前の記事でも書きましたが、メコノプシスの分類は現在、整理されている最中なので、その結論が出れば、ここに記載されている分類も多少変更が必要になるかもしれません。
帯にある「世界待望のメコノプシス属全種の詳細解説」は正確を記せば「日本待望の・・・」とすべきですね。それじゃ売れないけど・・・
1999年に初めて開花に至ったものの、その後2000年、2001年と連続してメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)は微笑んでくれませんでした。
しかし翌年の2002年、辛抱が報われる瞬間が訪れました。前年から順調に苗が育ち、大株に育ったメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)がその年の開花を待ち望んでいました。そして5月中旬から開花し、下旬から切り花出荷を始めました。
6月7日に出荷したメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)に関して出荷先市場から電話がかかってきました。
(クレームか?)と一瞬思いましたが、話を聞いてみると違っていました。
「買ってくれた花屋さんが、メコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)をすごく喜んでくれている。できれば圃場を見てみたい」という電話でした。
6月18日に市場担当者が花屋さんとともに来場しました。
話を伺うと、そのメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)は、三浦雄一郎氏がヒマラヤの8000m峰チョー・オュー 山(8201m)に登頂成功し、当時8000m峰登頂の世界最高齢の記録(69歳6ヶ月)を作ったお祝い・報告会に使われたのでした。
その席上、テーブル花として使われていたメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)のことが取り上げられ、会の盛り上げにも一役買った格好になり、花屋さんも大喜びだったようです。
その気持ちを伝えたいのと、どんなところで作られているのか一度見てみたいとのことで来場されたのでした。
自分で生産した花がどこでどのように使われ、どう喜んでもらえているのかを、具体的に知ることができたのは初めての経験でしたし、これからも頑張るぞ!と決心した瞬間でもありました。
思いがけず種子を手に入れることができたことから、RHSの栽培法に倣い1998年3月6日に初めての播種を行いました。まずピートモスベースの培土を用意し、そこにばら播きしました。メコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)は光発芽種子なので、覆土は必要ないのですが、湿気を保つためにバーミキュライトを薄く覆土しました。
2週間後にはほとんどが発芽しました。ある程度の大きさになったときにセルトレイに移植し、さらに根詰まりを起こす前にポット上げしました。そして、6月に圃場に定植しました。メコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)の花色はpHが低い方がきれいな青色になり、pHが高いと赤みを帯びてくるので、圃場にはピートや有機物堆肥を十分に入れました。
文献やナーセリーのアドバイスを総合すると、メコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)は夏越しが難しいので、夏前に大株を作ることが開花成功のポイントのようです。
その年の季候がよかったのか、基本に忠実にやったからよかったのか、何株かは無事夏越しすることができました。11月に圃場から株を掘り上げ、ポット植えしました。
しかし、鉢に上げてからは葉がみるみるうちに枯れてきてしまいました。移植がまずかったのか、それとも時期が悪かったのか、結局葉はみんななくなってしまいました。それでも、株全体が枯れているわけではなく、小さい固まりの球根のようなものが地際に残っていました。
年が明けて2月になると、その残っていた固まりから葉が出てきました。どうやら冬は葉を落として冬至芽を作り休眠するようです。そして春になると葉を抽出し始めるようだということが分かりました。休眠があるのかどうかまでは確認できませんでした。
ともかく、鉢上げした株はすべて生き残っていて、大きさはまちまちでしたが、春にはある程度の株に成長しました。4月の中旬頃になると花芽が抽台しているのが確認できました。そして1999年5月6日に最初の花が咲きました。この時の感激は忘れることができません。花色はそれは見事な濃青色でした。
そして、5月27日に初めて切花を市場に出荷しました。
私が初めてメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)の名前を聞いたのは、今から9年前の1997年に行われたサカタのタネの故三瓶氏の講習会でした。その時は名前を手帖に書き留めておいただけだったのですが、ある時、"農耕と園芸"(誠文堂新光社刊)のバックナンバーを何気なく見ていると、大阪花博にメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)を提供した種苗会社の話題が載っていました。すぐに、"農耕と園芸"の出版社に問い合わせて、種苗会社の連絡先を聞きました。その種苗会社に電話すると、今は扱っていないし今後も扱う予定はないとのこと。その時はそれであきらめました。
しばらくして"はなみどり"(農村文化社刊)という雑誌を読んでいると、RHSを紹介した記事が載っていました。これは1996年の11月号ですから、買ったときは気がつかなかったんですが、ふと読み直していると見つけたんですね。自分にとって最も旬だった“海外“とか”種子“とかの言葉がちょうど目に留まったんです。この時この本がなかったら、今メコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)を作っていたかどうか・・・
こうしてRHSに入会しました。1998年の1月のことです。そして、1998年の2月号でメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)の特集記事に出会うわけです。そして、2月号の日本語版では”海外からの種子・苗の入手について”の記事に出会いました。
海外からの種苗の導入(3)でも書きましたが、その後すぐにPlant Finderなどの資料を集め、海外のナーセリーや種苗会社にメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)の種子がほしい旨の手紙を書き、ひょんな事から種子(メコノプシス・ベトニキフォリア)をゲットしてしまいました。これがメコノプシス(ヒマラヤの青いケシ)の本物(といっても種ですけど)を見た最初でした。
注)写真のM.grandisとM.x sheldoniiの分類については当時の分類法によるもので、現在は英国のメコノプシス研究者ならびにガーデナーが主体になって組織されたThe Meconopsis Groupの研究によって、Meconopsis 'Lingholm'に統一されています。
昨日のことなんですが、昨年11月に播種したスキゾスティリスをセルトレイに植え替えしました。もともとガーデンパンにばらまきしていたので、4ヶ月経ってだいぶ窮屈になっていました。
スキゾスティリスって、あんまりというよりまったく聞いたことがない名前だと思います。私もこの名前は英国のガーデナーから初めて教えてもらった名前です。以前、メコノプシスの種子を探していたときに、切花として寒冷地に向くもののおすすめ品として、教えてもらったものです。アヤメ科の花で、英名はウインターグラジオラスと言ってグラジオラスのような花を付けます。原産地は南アフリカなんですが、山の上の方にあるらしく、寒さにはめっぽう強い花だそうです。球根植物ということですが、種子を播いて作っています。播種してどのくらいで花が咲くのかは皆目見当が付かないので、今年は試験栽培のつもりでやっています。
花が咲くとすれば、11月くらいのようですので楽しみにしていてください。色は赤・ピンク・白の3種類です。まだ、花を見ていないので画像がないのですが、こちらで花の画像を見ることができます。
(5)からの続き・・・
日本に輸入する種子や苗は現地で植物検疫を受ける必要があります。そして、それを受けた事を示す植物検疫証明書(Phytosanitary certificate(写真))が添付されている必要があります。添付されていなくても種子や苗を受け取ることはできますが、植物防疫所から添付する旨の用紙が同封されます。
代金にはこの植物検疫のための手数料や荷造り・送料を加算しなければならないので、事前にきちんと確認する必要があります。さらに、こういった支払いに関する事だけでなく、在庫の有無や納期をきちんと確認する必要があります。また、現地での検疫証明を取るのには日数がかかることがありますので、それを考慮して発注する必要があります。そして、クレームに関する規定も明記されていますので、それもきちんと確認します。
それから、海外から土を持ち込むことはできないので、苗は根洗いをする必要があります。そのための費用が必要な場合もあります。
これらをすべて確認した上で、注文、支払いになります。
これで無事、種子や苗が届けばよいのですが、いろいろなトラブルで種子が納期に届かないことがあります。
私も種子が届かないことがありました。2月中旬に発送したという種子(この時はフランスの種苗会社でした)がいつまでたっても届かないんです。メールでどうなっているのか確認すると、郵便局で留まっているのかもしれないから確認してくれ、フランスの郵便ストの影響があるかもしれない。われわれも確認してみるとの回答がありました。
結局、種子の行方は分からずじまいでした。そして、支払った代金をどうするかという点と植えるべき場所をどう埋めるかがその後の問題として残りました。植える予定の場所は昨年の株をそのまま利用することでしのぎ、代金は翌年の種子代金としてストックしてもらうことになりました。
この時の教訓は、種子を頼む場合は書留で送ってもらう。そして、余裕を持って発注するということでした。
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